競技としての空手も若い頃には重要です。空手の稽古を通じて物事に動じない心を養うことや怪我や組手の恐怖心を乗り超える鍛錬、克己心、他者への思いやり等の涵養は、社会人になってから如何に大切であったか分かるものです。
特に若いころ(小学・中学・高校・大学)は勝利至上主義に陥りやすいのが現状です。指導者の方針がただ試合で勝つためだけを目的に行われてるケースも多々見受けられます。試合で勝つこと、昇級・昇段すること、このことは大きなモチベーションになります。と同時に小学・中学生にあっては人格形成に極めて重要な年代です。その時分に空手を通じて何を学ぶか、これが大切です。学業が最優先です。
やがて子どもたちも必ず社会人になるわけですが、社会人になった時点から空手をやめてしまう人がほとんどでしょう。三田空手会では社会人になってからもまた高齢になってからも空手を続ける人が多いのが特徴であり誇りでもあります。
子どもたちの未来を近視眼的に価値づけするのではなく、その未来をも視野に入れ大局的な視点で見守る・教えることが最重要と考えます、
またこれは空手だけにとどまりませんが、身体の鍛錬と同時に「考える力」を養うことは長い人生の上でとても大切です。そのために本を読むことや芸術、音楽、他のスポーツ、さまざまな趣味等をたしなむことは自分の見識を広げ豊かな人生を送る上でも役立ちます。勉強は一生です。
生涯武道;生涯修練。心身・知ともに生涯精進するべし。
文武不岐:学問と武道は別物ではなく、武道の厳しい修練を積むことを通じ、単なる力や技量だけでなく、<知>や教養も追い求めること。
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